丸山モリブデンは、オイルの基油を変えるものではない。
PAOでもない。
エステルでもない。
グループ4でもグループ5でもない。
既存のエンジンオイルに対して、モリブデン系の摩擦低減成分を後から加える添加剤である。
モリブデン系添加剤の理屈自体は存在する。
境界潤滑領域で摩擦を減らし、金属表面に潤滑膜を作り、メカノイズや摺動抵抗を低減する可能性がある。
したがって、丸山モリブデンを完全なオカルトとして切り捨てる必要はない。
しかし、万能薬として見るのも間違いである。
現代のエンジンオイルは、基油と添加剤パッケージを含めて完成油として設計されている。
API SP、API SQ、ILSAC GF-6、GF-7などの規格は、完成油としてのバランスで成立している。
そこに後入れ添加剤を入れるということは、その完成されたバランスを変えるということでもある。
古い車、走行距離の多い車、メカノイズが気になる車では、丸山モリブデンが体感に出る可能性はある。
しかし、新しい車、高性能オイルを使っている車、メーカー保証中の車、直噴ターボ、GPF・DPF付き車両では、慎重に考えるべきである。
私の結論はこうである。
丸山モリブデンは、基油マニアの評価軸では論評外である。
基油ではなく、後入れ添加剤だからである。
使うなら、古い車や過走行車の摩擦低減・メカノイズ低減を狙う実験的添加剤として使う。
新しい車やPAO・エステル系高性能オイルに、無条件で足すものではない。
古いエンジン
走行距離が多い車
メカノイズが気になる車
多少クリアランスが広がったエンジン
旧車
軽い打音・摺動音を和らげたい車
鉱物油・グループ2・グループ3系オイルに摩擦低減要素を補いたい場合
丸山モリブデンは、否定もしない。
盲信もしない。
古いエンジンや過走行車では、摩擦低減・メカノイズ低減の体感が出る可能性はある。
しかし、基油性能を上げるものではない。
グループ3をグループ4にするものでもない。
PAOやエステルの代わりになるものでもない。
現代の高性能オイルは、最初から添加剤パッケージまで含めて設計されている。
だから、基油マニアとしては、まず良いオイルを選ぶ。
その上で、丸山モリブデンは必要な場合だけ、目的を絞って使う。
これが一番合理的である。